ロイヤルティマーケティングとは?施策からプロ野球を活用した事例まで解説

顧客との継続的な関係構築を重視する“ロイヤルティマーケティング”は、企業の中長期的な成長を支える重要なマーケティング戦略として注目されています。
単発の購入や短期的なリピート購入の促進にとどまらず、顧客との継続的な接点を通じて“ファン化”を促し、LTV(Lifetime Value:顧客生涯価値)の向上につなげることが特徴です。
この記事では、ロイヤルティマーケティングが重要視される背景をはじめ、代表的な評価指標や具体的な施策、さらに福岡ソフトバンクホークスを活用した企業事例を解説します。
>おすすめの記事はこちら
・顧客と信頼関係を構築する方法とは?メリットとスポーツ観戦が有効な理由を解説
・企業の成長を加速させる顧客との関係構築とは
この記事を読んでわかること
ロイヤルティマーケティングは、顧客との継続的な関係構築や“ファン化”を通じてLTV向上を目指すマーケティング戦略
新規顧客獲得コストの高騰やサブスク型ビジネスの拡大により、既存顧客との関係強化が重要視されている
パーソナライズ施策や体験型CX※(Customer Experience:顧客体験)など、顧客ロイヤルティを高める具体的な手法がある
スポーツスポンサーシップは、顧客との特別な接点づくりや関係強化に活用されている
※体験型CX(顧客体験)とは、商品やサービスの機能だけでなく、体験を通じて顧客が感じる心理的・感情的な価値のこと。
目次[非表示]
ロイヤルティマーケティングとは
ロイヤルティマーケティングとは、顧客の信頼や愛着を育むことで、長期的な継続利用やファン化を促すマーケティング戦略のことです。
イタリアの経済学者ヴィルフレド・パレートが提唱した『パレートの法則(2:8の法則)』が示すとおり、上位2割の優良顧客が売上の8割を支える構造において、既存顧客の維持は企業の収益安定につながります。市場の飽和や機能差による差別化が困難な現代において、機能的価値だけでなく、顧客体験(CX:カスタマーエクスペリエンス)を通じた情緒的価値の提供が選ばれ続ける鍵となっています。
一方で、ロイヤルティマーケティングは中長期的な関係構築を前提とするため、施策によっては効果実感までに一定の時間を要する場合があります。また、継続的な取り組みを行うには、顧客データを適切に蓄積・活用できる体制づくりも重要です。
ロイヤルティマーケティングが重要視されている理由
ロイヤルティマーケティングが重要視されている理由は、新規顧客の獲得コストが高騰しているなかで、既存顧客の維持・継続的な関係構築が企業成長に不可欠となっているためです。
近年は広告費やCPA(Cost Per Action:顧客獲得単価)の高騰により、新規獲得だけで事業を拡大し続けることが難しくなっています。また、市場の成熟化によって商品・サービスの機能差が小さくなり、容易に価格競争に陥りやすい状況も増えています。
さらに、サブスクリプション型ビジネスやリピート購入型サービスの拡大により、一度購入してもらうだけでなく、継続的に利用してもらうことの重要性も高まっています。
そのため現在は、単なる売上拡大だけでなく、顧客との長期的な関係構築や“ファン化”を促進するロイヤルティマーケティングが注目されています。
ロイヤルティを測るための代表的な評価指標
ロイヤルティマーケティングでは、顧客との関係性を把握するために、さまざまな指標が活用されます。顧客の愛着度や継続利用の傾向を可視化することで、施策改善の方向性を検討しやすくなります。
心理的ロイヤルティを可視化する「NPS®」
NPS®(ネットプロモータースコア)※は、顧客がブランドや商品・サービスを他者に推奨したい度合いを示す指標です。ベイン・アンド・カンパニーのフレッド・ライクヘルド氏によって提唱されました。
NPS®では、「この商品・サービスを友人や同僚に勧める可能性はどのくらいありますか」という質問に対して、0〜10の11段階で回答してもらいます。その結果をもとに、9〜10点を「推奨者(Promoter)」、7〜8点を「中立者(Passive)」、0〜6点を「批判者(Detractor)」に分類し、「推奨者の割合−批判者の割合」でスコアを算出します。
単なる満足度ではなく、顧客の愛着や信頼、継続利用意向を把握しやすいことから、多くの企業でロイヤルティ評価の指標として活用されています。
また、NPS®は定期アンケートや顧客接点での調査など、さまざまな場面で用いられています。顧客の声を継続的に把握することで、サービス改善のヒントを得やすくなります。
※ネット・プロモーター、ネット・プロモーター・システム、ネット・プロモーター・スコア、NPS、そしてNPS関連で使用されている顔文字は、ベイン・アンド・カンパニー、フレッド・ライクヘルド、NICE Systems, Inc.の登録商標又はサービスマークです。
継続利用や収益性を把握する「LTV(顧客生涯価値)」
LTV(Lifetime Value)は、1人の顧客が取引期間を通じて企業にもたらす価値を示す考え方です。
購入単価だけでなく、購入頻度や継続利用期間などを含めて、顧客との長期的な関係性を捉える際に用いられます。特に、サブスクリプションサービスやリピート購入型のビジネスでは、LTVを参考にしながら長期的な顧客との関係構築を目指すケースもあります。
顧客の“ファン化”を促進する手法
顧客を“ファン化”するには、Web広告やSNSを通じたパーソナライズ体験の提供や、リアルイベントを活用したコミュニティ形成など、多角的なアプローチで継続的な接点をつくることが有効です。
購入者をファンへと転換するには、継続的な接点づくりと、特別な体験を通じた関係性の深化が欠かせません。
なお、ロイヤルティマーケティングは、BtoC(一般消費者向け)とBtoB(法人顧客向け)でアプローチが異なります。
パーソナライゼーションと特別体験
顧客データに基づき、最適なタイミングでパーソナライズされた体験を提供します。
例えば、Web広告やメールマガジンを通じて一人ひとりの興味関心に合った情報を届けることで、顧客満足度を高めることができます。
また、ポイント付与などの金銭的な還元だけでなく、限定イベント招待など特別感のある体験を提供することがブランドへの愛着形成につながります。
体験型CX(顧客体験)とコミュニティ形成
体験型CX(顧客体験)とは、単に商品やサービスの機能・価格で勝負するのではなく、「顧客の五感や感情、知的好奇心を刺激するような『リアルな体験』を通じて、ブランドのファンになってもらうための取り組み」のことです。
一方的な情報発信ではなく、顧客が企業運営に参画できる共創の場を設けることで、心理的な結びつきをより強固にできます。
また、限定イベントへの招待やVIPルーム・特別席での観戦体験、特別なプログラムへの参加機会の提供など、日常では得られない体験は顧客との関係性を深めるきっかけになります。こうした体験を通じて企業やブランドへの愛着を醸成し、継続的な関係構築につなげることが可能です。
ただし、一過性のイベントで終わらせないために、体験後も定期的なフォローやコミュニケーションを継続していく工夫が必要です。
福岡ソフトバンクホークスを活用したロイヤルティマーケティング事例
福岡ソフトバンクホークスのスポンサーシップは、一般消費者へのブランド体験提供だけでなく、取引先との関係強化にも活用されています。観戦体験やイベント、ホスピタリティ施策を通じて、多様なステークホルダーとの継続的な関係構築を支援しています。
ここでは、ホークスとの取り組みを通じてロイヤルティ向上につなげた企業事例を紹介します。
株式会社九州日立システムズ|VIPルームを活用したBtoB顧客との関係構築

株式会社九州日立システムズは、顧客ロイヤルティの向上を目的にホークスとスポンサー契約を締結しています。
具体的には、スーパーボックス(VIPルーム)での格別な接遇を通じてお客さまと質の高い時間と空間を共有し、今後のビジネス活動の円滑化と更なる発展につなげていくことを目指しています。
また、シーズンシートは、お客さまとの親密なコミュニケーションを図るための営業ツールとして利用されています。お付き合いの浅いお客さまとの関係を一気に深めるきっかけとなるほか、長年ご支援いただいているお客さまへの感謝の気持ちを伝える場としても活用されています。
小久保製氷冷蔵株式会社|協賛試合への取引先招待を通じた顧客との関係性強化
『ロックアイス®』を展開する小久保製氷冷蔵株式会社は、ホークスへの協賛を通じて、ブランドの愛着形成や体験価値の向上を図っています。
一般消費者に向けては、球場でのサンプリング施策を実施し、商品体験を通じた認知拡大とブランド好感度向上を実現しています。
また、準冠協賛「ロックアイス® クールナイター」を開催してお取引先さまをご招待するなど、ホスピタリティ施策の活用を通じて、関係性の強化や継続的なコミュニケーション機会を創出しています。

ロイヤルティマーケティングに関するよくある質問
Q. ロイヤルティマーケティングの施策を始める際、最初に取り組むべきことは何ですか?
A. まずは現状の顧客ロイヤルティを正確に把握することです。NPS®の計測や、既存顧客の購買データ(LTVや購買頻度など)を分析し、自社の「優良顧客」がどのような属性や傾向を持っているかを定義することから始めるのが効果的です。
Q. BtoB(法人向け)ビジネスでもロイヤルティマーケティングは有効ですか?
A. はい、非常に有効です。BtoBにおいても、取引先との信頼関係(関係性の質)が継続契約やアップセルに直結します。本記事の事例でも紹介したとおり、スポーツ観戦を通じたホスピタリティ(VIP招待や特別体験など)は、BtoBにおける商談外での関係構築・ロイヤルティ向上に多く活用されています。
Q. ホークスならではの特別体験にはどのようなものがありますか?
福岡ソフトバンクホークスでは、みずほPayPayドームでの観戦招待をはじめ、スーパーボックス(VIPルーム)の利用やシーズンシートの提供、イベントへの招待など、さまざまな特別体験を提供できます。
こうした体験は、通常の販促キャンペーンや接待では得られない非日常性や特別感を演出できる点が特徴です。顧客や取引先との関係構築、ロイヤルティ向上、企業ブランドへの好意形成などに活用されています。
まとめ
この記事では、ロイヤルティマーケティングについて以下の内容を解説しました。
ロイヤルティマーケティングとは
ロイヤルティマーケティングが重要視されている理由
ロイヤルティを測るための代表的な評価指標
顧客の“ファン化”を促進する手法
福岡ソフトバンクホークスを活用したロイヤルティマーケティング事例
ロイヤルティマーケティングの本質は、顧客を単なる「購買者」ではなく、継続的な関係性を築く「パートナー」として捉えることにあります。
目的を設定し施策を実行すると同時に、スポーツ観戦のような「感情が動く体験」を提供することで、顧客の愛着や共感を育むことが重要です。
『福岡ソフトバンクホークス』のスポンサーシップは、こうした体験価値を通じて顧客との関係性を深め、ロイヤルティ向上を実現する有効な手段の一つといえます。既存顧客の維持・育成に課題を感じている企業は、CRM戦略の一環としてスポーツ協賛の活用を検討してみてはいかがでしょうか。
詳しくはこちらの資料をご確認ください。




