オフラインイベントとは。ブランドと顧客を直接つなぐ体験の力
デジタル化が進む現代において、オンライン上での広告やマーケティング施策はますます重要になっています。しかし、直接人と人が接する「オフラインイベント」の価値も依然として揺るぎません。企業や団体にとってオフラインイベントは、商品やサービスの認知拡大にとどまらず、顧客との深い関係構築、ブランドへの信頼感醸成に大きく貢献します。
本記事では、オフラインイベントの定義や役割、メリットについて解説したのち、後半では福岡ソフトバンクホークスが展開しているオフラインイベント施策を紹介します。実際の事例を交えながら、その可能性を探っていきます。
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目次[非表示]
- 1.オフラインイベントの基本
- 2.オフラインイベントが今選ばれる理由
- 3.オフラインイベントのメリット
- 3.1.顧客体験の深化
- 3.2.信頼関係の構築
- 3.3.SNS拡散による二次的効果
- 3.4.データ取得の強み
- 4.オフラインイベントのデメリット
- 5.成功のポイント
- 5.1.①明確な目的設定
- 5.2.②会場設計と導線
- 5.3.③ストーリーテリング
- 5.4.④アフターフォロー
- 6.福岡ソフトバンクホークスの事例
- 6.1.冠協賛(ゲームデースポンサー)
- 6.2.PRブース(単独)
- 6.3.法人向け接点活用
- 6.4.BOSS E・ZO FUKUOKAでの展示
- 7.まとめ
オフラインイベントの基本
オフラインイベントとは、インターネット上ではなく、現実の場に人を集めて行うイベント全般を指します。展示会、セミナー、地域のお祭り、スポーツ観戦など形態は多様ですが、共通するのは「リアル空間での体験」です。参加者が同じ場を共有することで、オンラインでは得られない特別感が生まれます。
リアルイベントには、ステージ演出や会場装飾といった五感を刺激する要素が豊富に存在します。たとえば音楽フェスの迫力ある音響や、展示会での製品デモ体験など、実際にその場にいるからこそ得られる没入感は、オンラインの情報接触だけでは再現できません。
オフラインイベントが今選ばれる理由
オンライン施策がクリック数やインプレッション数といった数値で効果を把握しやすい一方、オフラインイベントは「体験価値」に重きを置きます。偶然の出会いや会場の熱気など、現場だからこそ生まれる感情体験は強い記憶に残ります。
近年では、オンラインとオフラインを組み合わせた「ハイブリッドイベント」も増加しています。会場の熱気を現地参加者が体感する一方で、オンライン配信を通じて遠方の人々にも情報を届けられる仕組みです。SNSでの拡散を組み合わせれば、イベント規模以上の認知効果を獲得することができます。
つまり、オンラインは「幅広くリーチできる手段」、オフラインは「深く印象を残せる手段」と位置付けられ、両者の掛け合わせこそが現代マーケティングの肝となっているのです。
オフラインイベントのメリット
オフラインイベントの強みは「体験の深さ」にあります。ここでは4つのメリットを掘り下げます。
顧客体験の深化
オフラインイベントは、商品やサービスを直接体験できる場です。参加者は目の前で商品に触れることで理解度が高まり、購買意欲も刺激されます。試食会や試乗会のように、ブランドを「知る」だけでなく「感じる」ことができ、デジタルでは伝わりにくい価値を五感で訴求できます。
信頼関係の構築
直接顔を合わせる体験は強い信頼を生み、関係構築を深めます。スタッフの人柄や対応はブランドイメージに直結し、その場でのやりとりが安心感とエンゲージメントを高めます。
SNS拡散による二次的効果
参加者が写真や動画をSNSに投稿することで、自然にオンラインへ拡散します。フォトスポットやノベルティは「拡散の仕掛け」となり、イベント後も認知効果を持続させます。
データ取得の強み
受付やアンケート、サンプル配布を通じて詳細な顧客情報を収集できます。得られたデータは今後のマーケティングに活用でき、オフラインイベントは“体験”と“データ”を同時に得られる貴重な場となります。
オフラインイベントのデメリット
オフラインイベントには大きな強みがある一方で、留意すべき課題も存在します。ここでは代表的な3つを整理します。
コスト負担
会場費や設営費、人員配置など、準備段階で大きなコストが発生します。オンラインに比べると初期投資が高いため、ROIを意識した設計が必要です。
集客リスク
参加者が当日集まらなければ成果につながりません。天候や時期に左右されやすく、動員計画の精度が求められます。
運営負荷
会場設営や当日の運営など、運営スタッフの工数が大きくかかります。スムーズに進めるには、経験豊富な運営体制や外部パートナーとの連携が欠かせません。
成功のポイント
オフラインイベントを成功させるには、企画から運営、終了後のフォローに至るまで一貫した設計が欠かせません。ここでは特に重要な4つのポイントを解説します。
①明確な目的設定
「新規顧客を獲得したい」「既存顧客との関係を深めたい」「ブランド認知を拡大したい」など、目的を明確にすることが成功への第一歩です。目的によって最適な手法は変わり、新規獲得には試飲・試食、関係強化には招待制イベントが有効です。
②会場設計と導線
参加者が快適に過ごせる導線設計は満足度に直結します。受付から体験スペース、休憩所やフォトスポットまでスムーズにつながる流れを意識し、あえて「滞留ポイント」を設けることで自然に展示へ誘導できます。
③ストーリーテリング
単なる展示や配布にとどまらず、ブランドの世界観を体験として伝えることが重要です。開発ストーリーや統一感ある装飾で「ブランドを体感した」と思わせ、五感に訴える演出が記憶に残ります。
④アフターフォロー
終了後の対応次第で効果は大きく変わります。アンケートを基にしたお礼メールやSNSレポート、次回案内などで接点を維持し、熱量を冷まさず次のアクションへとつなげます。
福岡ソフトバンクホークスの事例
福岡ソフトバンクホークスは、球場という大規模なリアル空間を活用し、多種多様なオフラインイベントを実施しています。
冠協賛(ゲームデースポンサー)
冠協賛は、企業ブランドを強く印象づける絶好の機会です。ホークスの野球の試合において「○○DAY」として開催し、球場全体をその企業一色に演出できます。来場者全体にブランドを浸透させるだけでなく、取引先を招待してホスピタリティの場として活用できるのも特長です。
試合の興奮を共有することで、単なる接待以上の記憶に残る関係構築につながります。
冠協賛メニューの一例
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PRブース
コンコースにブースを設置し、商品やサービスを来場者に直接体験してもらう施策です。試飲・試食やデモ展示と組み合わせれば、オンラインでは伝えきれない価値を届けられます。
サンプリング
試供品やサンプルを来場者に直接手渡すシンプルな方法です。大勢に短時間で届けられるため、新商品の認知度向上や購買意欲の喚起に効果的です。-
試合前インフォメーション
試合開始前のアナウンスや場内ビジョンを通じて、来場者全員に企業メッセージを発信できます。試合直前の高揚感に合わせた訴求で、印象に残りやすいのが特長です。
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のぼり・装飾
場内外にのぼりや装飾を設置し、会場全体を「特別な一日」として演出します。視覚的なインパクトにより、ブランドの存在感を強めることができます。
PRブース(単独)
PRブースは、みずほPayPayドームのコンコースや場外広場に設置され、展示やサンプリングを通じてブランドを伝える場です。来場者が商品やサービスに直接触れられるため、試供品の配布やデモ展示を通じて価値をダイレクトに伝えられます。イベント限定のノベルティを用意すればSNS投稿による拡散も期待でき、アンケートや会員登録と組み合わせれば見込み顧客の情報獲得にもつながります。
さらにこのPRブースは、冠協賛試合の一環として展開できるのはもちろん、単独メニューとしても利用可能です。冠協賛と組み合わせずとも、展示会的な場として幅広い来場者にアプローチできる点が大きな魅力です。
法人向け接点活用
球場にあるスーパーボックス(VIPルーム)は、単なる観戦スペースではなく、法人向けのホスピタリティ空間として活用されています。お得意様や見込み顧客を招待し、試合観戦を楽しみながら自社サービスや商品を紹介することで、自然な形で商談へとつなげることができます。
スーパーボックスは落ち着いた空間で食事やドリンクが提供されるため、接待の場としても最適です。試合の盛り上がりが共通の話題を生み、会話をスムーズにすることで、より深い関係構築が可能になります。
BOSS E・ZO FUKUOKAでの展示
みずほPayPayドームに隣接する複合施設「BOSS E・ZO FUKUOKA」には、企業が活用できる展示スペースがあります。試合日だけでなく年間を通じて多様な来場者が訪れるため、シーズンを問わずリアルな接点を確保できるのが特長です。
企業にとっては、スポーツ観戦とは異なるシーンでブランドを知ってもらえる場として活用でき、BtoC・BtoBの双方に柔軟に対応できます。
まとめ
この記事では、オフラインイベントについての内容を解説しました。
オフラインイベントの基本
オフラインイベントが今選ばれる理由
オフラインイベントのメリット
オフラインイベントのデメリット
成功のポイント
福岡ソフトバンクホークスの事例
オフラインイベントは、デジタル全盛の時代においても、ブランドにとって欠かせない戦略的手段です。五感に訴える体験、直接の交流、会場の熱気は、オンライン施策では代替できない価値を持っています。
福岡ソフトバンクホークスの事例としてご紹介したオフラインイベントは、BtoCだけでなくBtoBの領域でも成果を発揮しています。球場という特別な空間で実現するリアルな体験は、ブランド価値向上と顧客満足度向上を同時に実現します。
今後もオフラインイベントの重要性はさらに増していくはずです。企業が「人と人との直接の出会い」をどう設計するかが、ブランドの未来を大きく左右するといえるでしょう。
『福岡ソフトバンクホークス』では、プロモーション活動に活用できるさまざまなメニューを提供しています。
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