販売促進とマーケティングの関係とは? 活用ポイントを押さえてビジネスに役立てる方法

「売上を伸ばしたいが、どの施策を優先すべきか分からない…」このような悩みを抱える企業は少なくありません。そこで押さえておきたいのが、販売促進とマーケティングの関係です。両者を混同すると、場当たり的な施策に終始し、成果を最大化できない可能性があります。
本記事では、販売促進とマーケティングの関係性を整理し、効果的な戦略設計から事例まで解説します。さらに、福岡ソフトバンクホークスが提供するスポンサーシップを活用した販促事例もご紹介します。
なお、販売促進についてはこちらの資料をご確認ください。
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目次[非表示]
販売促進とマーケティングの関係
企業が継続的に成長するためには、販売促進を一過性の施策ではなく、マーケティング全体の戦略の一環として位置づけることが重要です。マーケティングは、売れる仕組みをつくるための活動全体を指し、商品開発から価格設定、流通チャネル、プロモーションに至るまでを網羅します。
そのなかで、販売促進はマーケティングの一要素として位置づけられ、短期的な売上アップや購買意欲を高める具体的な施策を担います。
▼販売促進とマーケティングの位置づけ
項目 | マーケティング | 販売促進 |
定義 | 売れる仕組みを構築する総合的な活動(市場調査、商品開発、価格戦略、流通設計、プロモーション) | 顧客の購買意欲を喚起して、短期的に売上増加を狙う具体的施策 |
目的 | 中長期的なブランド価値向上と市場シェア拡大 | 即時的な売上増加、新規顧客獲得、在庫処分 |
時間軸 | 長期(半年〜数年) | 短期(数日〜数ヶ月) |
成果指標 | 認知度、ブランド力、顧客満足度、LTV | 売上、来店者数、クーポン利用率、キャンペーン参加数 |
マーケティング全体における販売促進の役割
マーケティングは、顧客ニーズを満たす包括的な活動です。そのなかで販売促進はプロモーション領域の一部を担い、購買行動を直接後押しする役割を果たします。企業活動においては、広告・広報・販売促進がそれぞれ異なる役割を担っています。
“広告”は商品の魅力やブランドを広く発信し、認知度を高める役割を果たします。テレビCMやオンライン広告などを通じて、「まず知ってもらう」ための入口となる施策です。
次に、“広報(PR)”は信頼性の構築に重点を置きます。ニュースリリースの発信やメディア対応を通じて、ブランドや企業への理解を深め、社会的な評価を高める活動です。
そして、“販売促進”はキャンペーンや特典などを用いて、消費者の購買意欲を刺激する役割を担います。短期的な売上向上が期待でき、広告や広報と連動して成果を最大化させる重要な施策といえます。
販促活動の目的と売上向上の関係性
販促活動の大きな目的は、短期間での売上増加です。特に以下のような場面で活用されます。
▼販売促進施策の具体例
新商品の試供品やクーポンでトライアルを促す
イベントを行い来店者向け特典で購買意欲を高める
新規顧客獲得に向け、初回購入特典や紹介制度で接点を広げる
既存顧客向けにポイントアップや限定特典でリピート促進・定着化を図る
期間限定セール・キャンペーンで需要を刺激する
販促活動は短期的な成果が出やすいのが魅力です。ブランド戦略と組み合わせることで、一時的な売上アップにとどまらず、長く愛される顧客基盤づくりにもつながります。
認知度・リピーター創出と販促活動の関連性
販売促進は売上アップだけでなく、認知度拡大やリピーター育成にも貢献します。
まず、認知度の拡大を目的とする場合は、サンプリングや体験イベントが効果的です。実際に商品を手に取ってもらうことで新規顧客との接点をつくり、ブランドの想起や印象向上につながります。リピーターの獲得を狙う場合は、ポイントキャンペーンや会員特典などの施策が適しています。継続的な購入を促すとともに、ブランドへのロイヤルティを高める効果が見込めます。
さらに、双方向のコミュニケーション強化を目的とする場合には、SNSキャンペーンや顧客参加型イベントが有効です。新規顧客と既存顧客の双方にブランド体験の場を提供し、ファン層の拡大へとつなげることが可能です。
例えば、スーパーでの試食イベントは、認知を広げると同時に「美味しかったからまた買おう」といったリピート動機を生み出します。販売促進は単なる短期施策ではなく、顧客との関係構築の出発点としても重要です。
効果的な販売促進施策とマーケティング戦略の設計方法
効果的な販売促進を行うには、場当たり的な施策ではなく、戦略に基づいた設計が欠かせません。ここではターゲット層別のチャネル選定や、オンラインとオフライン施策の活用、さらに企画から効果測定までのプロセスについて解説します。
販売促進のターゲット設定とチャネル選定
ターゲットを曖昧にすると、販促施策は拡散的で成果が出にくくなります。年齢・性別・地域・ライフスタイルといった基本属性に加え、ターゲットが利用するメディアや店舗の分析を行うことで、的確なチャネル選定が可能になります。
▼ターゲット層別 主なチャネルと特徴
ターゲット層 | 主なチャネル | 特徴 |
若年層 | SNS(Instagram・TikTok)、動画広告 | 拡散力・共感性が高い |
中高年層 | Web広告、検索広告、店頭キャンペーン | 情報収集と購入の接点が近い |
シニア | 新聞広告、地域イベント、チラシ | 信頼感重視、地域密着性が高い |
このように、ターゲット別にチャネルを明確化することで、販促効果を最大化できます。
オンライン・オフライン施策の違い
販売促進施策は、オンラインとオフラインで性質が異なります。
▼領域別手法の強み・弱み
領域 | 手法 | 強み | 弱み |
オンライン | SNS広告、Web広告、メール、動画 | 広範囲、即時性、効果測定が容易 | 実体験の欠如 |
オフライン | 店頭イベント、チラシ、サンプリング | 体験価値の提供、購買促進強化 | 効果測定が難しい |
O2O(※) | オンラインで告知・集客+店頭特典 | 双方向の相乗効果 | 運営コストが高い場合がある |
オンライン施策の具体例として、LINEクーポンの配布やSNSキャンペーンが挙げられます。また、オフライン施策の具体例は、試食会や来場者限定のノベルティ配布が代表的です。
O2O施策は、SNS上でイベントを告知して、店頭において来場特典を提供する取り組みになります。これらの施策を補完的に活用することで、認知拡大から購買行動までの流れをシームレスに設計することが可能となります。
※O2O(Online to Offline)は、オンライン(インターネット)からオフライン(実店舗・イベント)へ顧客を誘導し、購買活動を促進するマーケティング手法です。
企画・実施・効果測定のプロセス
販売促進は、やって終わりでは意味がありません。企画→実施→効果測定のサイクルを回すことで、施策の精度が向上します。
▼販促施策の実行プロセス
企画
目的・ターゲット・予算・期間を明確にし、KPIを設定する実施
スケジュール管理や現場運営を徹底し、顧客体験を最適化する効果測定
売上・来場者数・反応率・クーポン利用率を分析し、改善点を抽出する
この流れを繰り返すことで、販売促進は一時的な売上増加にとどまらず、長期的な顧客基盤の強化につながります。特にKPIを設定して定量的に評価し、改善へとつなげることが欠かせません。
販売促進の施策例
販売促進には、オフライン施策とオンライン施策があります。オフラインはリアルな体験を提供し顧客の感情に直接働きかける一方、オンラインは拡散力と即時性に優れ、幅広いターゲットに効率よくリーチできます。ここでは両者を分けて整理します。
オフライン施策(店頭・チラシ・ギフト・サンプリング)
オフラインの販促は、現場体験を強みとしています。コストや労力がかかる一方、顧客の五感に訴えるため「記憶に残る体験」として強い影響を残せるのが特徴です。
▼オフライン施策別の事例と効果
オフライン施策 | 効果 |
店頭イベント・デモ | 顧客が商品を実際に体験でき、購買意欲を高める |
チラシ・DM | 地域密着型の集客に強く新規顧客の来店を促進 |
ギフト・ノベルティ | ブランドロゴ入りグッズの配布で認知拡大 |
サンプリング | 無料配布で商品を試してもらう機会を提供 |
オンライン施策(デジタルプロモーション・SNS・LINE・Web・動画)
オンラインの販促は、即効性・拡散力・データ計測に優れています。
▼オンライン施策の具体例と特徴
オンライン施策 | 特徴 |
SNSキャンペーン | フォロー&リポストで応募できるキャンペーン |
コミュニケーションアプリ・ | ターゲットに直接届けられるため来店や購入を効率的に誘導できる |
Web広告 | 地域・年齢・興味関心で精密にターゲティングし、効率的な集客を実現できる |
動画プロモーション | 商品を分かりやすく魅力的に伝えられる |
オンライン施策は費用対効果を測定しやすく、改善サイクルを高速で回せる点がメリットです。オフラインと組み合わせれば、O2O施策としてさらに効果を高められます。
販売促進×マーケティングの効果を最大化するポイント
販売促進を成功させるには、短期施策と長期施策の役割を明確にすることが重要です。短期施策では、割引やクーポン、限定特典などのキャンペーンやイベントを活用して購買を喚起し、売上を伸ばします。長期施策では、ブランド認知向上や顧客ロイヤルティの形成、LTVの改善など、マーケティング全体の仕組みに取り込むことが求められます。
顧客データ・市場調査の活用とターゲティング
販促の効果を最大化するには、顧客データと市場調査のデータを活用してターゲティングの制度を高めることが重要です。購買履歴や来店頻度を分析して顧客をグループ化します。また、市場調査で競合他社や消費者ニーズを把握することで、自社の強みや差別化のポイントを明確にできます。
こうしてターゲティングの精度を高めれば、広告やキャンペーンの効果が増し、短期的な売上だけでなく長期的なブランド価値向上にもつながります。さらに、PDCAサイクルで継続的に見直すことで、より確実に成果を積み重ねていけます。
効果的なプロモーション企画・運用体制の構築
販促の効果を最大化するには、企画・実施・評価のプロセスを組織的に運用する体制づくりが重要です。
- 企画フェーズ
目的やターゲット、KPI(重要指標)を明確に定め、関係部署と連携してゴールを共有する - 実施フェーズ
スケジュール管理やスタッフ教育、現場対応などを丁寧に行い、顧客の体験価値を意識した運営によって満足度の向上を図る - 評価フェーズ
売上や反応率などのデータを分析し、成功要因や改善点を整理したうえで次回施策に反映させる
このプロセスを繰り返すことで、販促は単発施策から成長を支える仕組みへと進化します。
福岡ソフトバンクホークスの販売促進事例
福岡ソフトバンクホークスでは、多彩な販促支援を企業に提供しています。ここでは、販促支援につながった事例をオフラインとオンラインに分けてご紹介します。
オフライン施策の事例
▼株式会社magicnumber(サンプリング)

スタジアム来場者へのサンプリングが実施できます。シャンプー・リンスなどの自社商品のサンプルを直接配布することで、来場者に実際の商品を試してもらう機会を創出できます。
▼うまかっちゃん(コラボキャンペーン)

自社商品と福岡ソフトバンクホークスとのコラボキャンペーンを実施することで、購買条件を満たした消費者に限定グッズを提供し、参加意欲を高めながら購買促進を図ることが可能です。認知拡散やブランドイメージ向上にもつながります。
▼ビジョン広告(動画プロモーション)

大型ビジョンに動画や音声を活用した広告を掲出することで、1試合当たり最大約4万人の来場者に対して自社商品の特徴やキャンペーン内容を訴求することが可能です。
オンライン施策の事例
▼限定グッズプレゼントキャンペーン(全日本空輸株式会社)

全日本空輸株式会社は、ホークスとのコラボレーションを生かしたオンラインキャンペーンを実施しています。福岡・北九州・佐賀空港発着のANA便を対象に、期間中2回以上搭乗し、キャンペーンサイトから参加登録したANAマイレージクラブ会員の中から抽選で、ホークス選手のサイン入りユニフォームや社名の入った限定グッズが当たります。
ホークスファンや福岡エリアの利用者に向けた訴求を強化することで、航空利用の促進とファン層へのリーチ拡大という販促効果が期待できます。
▼ポイントや観戦チケットなどのプレゼントキャンペーン(PayPay銀行株式会社・PayPay株式会社)

PayPay銀行とPayPay株式会社は、ホークスのファンに向けた円定期預金の定常プログラム「ホークスファンサポート預金」の提供開始に伴い、オンラインキャンペーンを実施しています。
キャンペーンでは、PayPay銀行の定期預金を50万円以上預け入れた利用者を対象に、預入金額とホークスのシーズン最終成績に応じて最大1万円分のPayPayポイントをプレゼントします。また、10万円以上預け入れた利用者は抽選でホークス観戦チケットや選手サイン入りグッズが当たるほか、エントリー者全員にオリジナルLINEスタンプを配布します。
ホークスファンの応援意欲と預金行動を結びつける仕組みにより、金融サービスの利用促進とブランド認知の拡大につながる販促効果が期待できます。
まとめ
この記事では、販売促進とマーケティングについて以下の内容を解説しました。
販売促進とマーケティングの関係
効果的な販売促進施策・マーケティング戦略の設計方法
販売促進の施策例
販売促進×マーケティングの効果を最大化するポイント
福岡ソフトバンクホークスの販売促進事例
販売促進とマーケティングは、対立する概念ではなく目的と時間軸の異なる補完関係にあります。販売促進はマーケティング戦略の一部として位置づけることで、単発的な売上アップだけでなく、中長期的なブランド価値向上や顧客ロイヤルティの強化につなげることができます。
『福岡ソフトバンクホークス』では、スポンサーメニュー(ブランド認知・価値向上、顧客との関係構築、従業員満足度向上、販売促進支援、CSR活動など、みずほPayPayドームを活用した広告施策)を通じて、多くの企業の販促・マーケティング活動をサポートしてきました。短期成果と長期戦略を意識してパートナーシップを活用することで、ビジネスは一段と成長のスピードを高めることが可能です。
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