命名権(ネーミングライツ)とは?メリットと事例32選
近年、スポーツや文化施設などでよく耳にするようになった命名権(ネーミングライツ)。企業名やブランド名が施設名の一部となることで、新たなマーケティング手法として注目を集めています。
命名権(ネーミングライツ)について、耳にしたことはあるけど、詳しくはわからないという方も多いのではないでしょうか。本記事では、命名権(ネーミングライツ)の基本的な概念から、そのメリット・デメリット、導入事例、そして福岡ソフトバンクホークスにおける具体的な取り組みまでを徹底解説します。
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目次[非表示]
- 1.命名権(ネーミングライツ)とは
- 1.1.基本的な仕組み
- 1.2.命名権(ネーミングライツ)の対象となるもの
- 2.命名権(ネーミングライツ)のメリット
- 3.命名権(ネーミングライツ)のデメリット
- 4.命名権(ネーミングライツ)の国内事例
- 5.福岡ソフトバンクホークスの本拠地への命名権(ネーミングライツ)
- 6.みずほPayPayドームのさまざまな命名権(ネーミングライツ)
- 6.1.座席への命名権(ネーミングライツ)
- 6.2. 入場ゲートへの命名権(ネーミングライツ)
- 6.3.VIPルームへの命名権(ネーミングライツ)
- 6.4.球場・その他名称への命名権(ネーミングライツ)
- 7.E・ZO FUKUOKAへの命名権(ネーミングライツ)
- 8.HAWKSベースボールパーク筑後の命名権(ネーミングライツ)
- 9.イベントへの命名権(ネーミングライツ)
- 10.まとめ
命名権(ネーミングライツ)とは
命名権とは、企業や団体が対価を支払うことで、特定の施設やイベント、番組などに自社の名称やブランド名を冠する権利のことです。英語では「Naming Rights」と表記されます。
基本的な仕組み
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権利の購入
企業や団体が、施設やイベントの所有者・運営者に対して、命名権の購入を申し出ます。
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契約締結
両者間で契約内容(契約期間、対価、露出方法、権利範囲など)について合意に至れば、契約が締結されます。
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名称変更
契約に基づき、施設名やイベント名に購入企業の名称やブランド名が付与されます。
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権利行使
購入企業は、変更された名称を通じて、広報活動やマーケティング活動を展開します。
命名権(ネーミングライツ)の対象となるもの
命名権の対象は多岐にわたりますが、主な対象は以下の通りです。
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スポーツ施設
スタジアム、アリーナ、練習場、座席など
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文化施設
ホール、劇場、美術館、図書館など
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公共施設
駅、道路、橋、公園など
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イベント
スポーツ大会、音楽フェスティバル、展示会など
命名権(ネーミングライツ)のメリット
企業が多額の費用を投じて命名権を取得するのは、以下のようなメリットがあるためです。
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認知度向上
施設名やイベント名に自社名が組み込まれることで、多くの人々の目に触れる機会が増加し、企業名やブランド名の認知度向上に繋がります。特に、大規模なスポーツ施設や人気イベントの命名権は、絶大な広告効果を発揮します。
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ブランドイメージ向上
施設やイベントのイメージと自社のブランドイメージを連動させることで、企業イメージの向上を図ることができます。例えば、環境に配慮した施設に命名することで、企業のサステナビリティへの取り組みをアピールできます。
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地域社会との連携強化
地域に根差した施設やチームの命名権を取得することで、地域住民との繋がりを深め、親近感や信頼感を醸成することができます。
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顧客ロイヤルティ向上
スポーツチームの命名権を取得した場合、ファンとの一体感を高め、顧客ロイヤルティの向上に貢献します。
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従業員のモチベーション向上
自社名が冠された施設やイベントを持つことは、従業員の誇りや愛社精神を高めることに繋がります。
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新たなビジネスチャンスの創出
命名権をきっかけに、新たな顧客層へのアプローチや、関連事業の展開など、ビジネスチャンスを広げることができます。
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メディア露出の増加
施設名やイベント名がメディアで報道される際に、自社名も同時に露出されるため、広告換算効果も期待できます。
命名権(ネーミングライツ)のデメリット
命名権の導入には、以下のようなデメリットも存在します。
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高額な費用
人気のある施設やイベントの命名権は、数千万円~数億円という高額な費用がかかる場合があります。
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契約期間のリスク
契約期間中に施設の人気が低下したり、企業の経営状況が悪化したりするリスクがあります。
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ファンや地域住民の理解
特に長年親しまれてきた施設名が変更される場合、ファンや地域住民への丁寧な説明と理解を得るための努力が必要です。
命名権(ネーミングライツ)の国内事例
世界では、すでに多くのスポーツ施設やアリーナで命名権が導入されていますが、国内でも、近年命名権の導入が広がっています。スポーツ施設における命名権の導入は、国内外で一般的なマーケティング戦略となっています。
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楽天モバイルパーク宮城 (仙台市)
東北楽天ゴールデンイーグルスの本拠地となる楽天モバイルパーク宮城は、通信事業の楽天グループ株式会社が命名権を取得しています。
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ZOZOマリンスタジアム(千葉市)
千葉ロッテマリーンズの本拠地となるZOZOマリンスタジアムは、ファッション通販サイトの株式会社ZOZOが命名権を取得しています。
- みずほPayPayドーム福岡 (福岡市)
- 福岡ソフトバンクホークスの本拠地となるみずほPayPayドームは、決済サービスのPayPay株式会社と株式会社みずほフィナンシャルグループが命名権を取得しています。
福岡ソフトバンクホークスの本拠地への命名権(ネーミングライツ)
ここからは、福岡ソフトバンクホークスの本拠地が「みずほPayPayドーム」に命名された経緯や背景をご紹介します。
みずほPayPayドームの誕生の経緯
福岡ソフトバンクホークスの本拠地は、2020年3月に決済サービス会社のPayPay株式会社が命名権(ネーミングライツ)を取得したことによって、「福岡PayPayドーム」へと名称を変更しました。
PayPay株式会社は2019年にチームスポンサー契約を締結しており、「福岡PayPayドーム」および隣接するエンターテインメント施設「BOSS E・ZO FUKUOKA」を含めた周辺施設での「PayPay」導入、各種キャンペーンの実施を通じて、プロ野球観戦や周辺地域のキャッシュレス決済を便利にお得にご利用いただけるよう取り組みを進めてきました。
その後2024年4月25日には、株式会社みずほフィナンシャルグループと命名権(ネーミングライツ)の契約を締結し、「みずほPayPayドーム福岡」に名称を変更しています。
株式会社みずほフィナンシャルグループは、2008年よりスポンサー契約を締結しており、協賛試合や各種イベントの開催、みずほプレミアムシートの提供などを通じて「世界一のエンターテインメント企業」の実現に向け連携を強めてきました。
株式会社みずほフィナンシャルグループとPayPay株式会社の2社による連盟のネーミングライツ契約は、プロ野球球場の1軍本拠地における国内初の取り組みとなり注目を集めています。
命名権(ネーミングライツ)の効果・影響
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認知度向上・ブランディング強化
日本国内で広く利用される「PayPay」や「みずほ」の名称が、ホークスの本拠地名となることで、その認知度を飛躍的に向上させるだけでなく、企業のブランディング強化にも貢献しています。
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シナジー効果
ホークスの試合やイベントを通じて、PayPayの利用促進を図るなど、シナジー効果を生み出しています。
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地域活性化への貢献
みずほPayPayドームは、野球の試合だけでなく、コンサートや展示会など、さまざまなイベントが開催される多目的施設であり、地域経済の活性化にも貢献しています。
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ファンとの一体感
ホークスファンにとっても、「みずほPayPayドーム」という名称はすっかり定着し、一体感を生み出す要素の一つとなっています。
みずほPayPayドームのさまざまな命名権(ネーミングライツ)
福岡ソフトバンクホークスでは、さまざま命名権(ネーミングライツ)を提供しています。ホークスのブランド力や集客力を活用し、マーケティング活動を展開することが可能です。以下に、福岡ソフトバンクホークスが提供しているネーミングライツの事例をご紹介します。
座席への命名権(ネーミングライツ)
みずほPayPayドームの座席に命名することで、呼称による企業の認知度向上が期待できます。また呼称による認知拡大だけでなく、視覚的にも企業のイメージを来場者に周知できるもの特長です。
▼コカ・コーラシート
〈座席への命名権一覧〉
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【事例1】 コカ・コーラシート
(コカ・コーラボトラーズジャパン株式会社) 【事例2】 JA全農なごみシート
(全国農業協同組合連合会)- 【事例3】 ECC キッズパーク
(株式会社ECC) 【事例4】 JALスカイビューシート
(日本航空株式会社)【事例5】 〈みずほ〉プレミアムシート
(株式会社みずほ銀行・みずほ証券株式会社)【事例6】 福岡トヨタ ホームランテラス
(福岡トヨタ自動車株式会社)【事例7】 SANKYU ホームランテラス
(山九株式会社)【事例8】 SMBC日興証券ダブルシート
(SMBC日興証券株式会社)【事例9】 AUTOWAY RECAROスタジアムシート
(株式会社オートウェイ)【事例10】やまや めんたいこBOX
(やまやコミュニケーションズ)【事例11】ヤマト運輸 クロネコソファシート
(ヤマト運輸株式会社)【事例12】長谷工 ブランシエラ リラックスシート
(株式会社長谷工不動産)【事例13】Galaxy AI Seat
(サムスン電子ジャパン株式会社)
入場ゲートへの命名権(ネーミングライツ)
みずほPayPayドームの入場ゲートへの命名を通じて、呼称による認知度向上に加え、視覚的なインパクトのある広告によりブランディングの強化が期待できます。もつ鍋おおやま5ゲートはみずほPayPayドームの正面に位置しているため、5ゲートを利用する来場者だけでなく、多くの来場者に広告が露出する機会を創出しています。
▼もつ鍋おおやま 5ゲート
〈入場ゲートへのネーミングライツ一覧〉
【事例14】 もつ鍋おおやま 5ゲート
(株式会社LAV)【事例15】 ナッツRV 8ゲート
(株式会社ナッツ)【事例16】 プロ野球RISING 6ゲート
(株式会社Com2uS Japan)【事例17】 リポビタンD 1ゲート
(大正製薬株式会社)
VIPルームへの命名権(ネーミングライツ)
みずほPayPayドームのVIPルームへの命名を通じて、企業ブランドの認知度向上だけでなく、ブランディングの強化が期待できます。Microsoft Premium Suiteでは、エリア内の通路やサインにMicrosoftのロゴを掲出するほか、4階のレセプションカウンター前に、最新Surface体験ブースを展示し来場者との接点も創出しています。
▼Microsoft Premium Suite
〈VIPルームへのネーミングライツ一覧〉
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【事例18】 Microsoft Premium Suite
(日本マイクロソフト株式会社) -
【事例19】 CHAMPAGNE COLLETラグジュアリー パーティールーム
(株式会社Traders Market)
球場・その他名称への命名権(ネーミングライツ)
ホークスの本拠地となる球場自体への命名や、球場内のさまざまな名称に命名することで、呼称による認知度の向上が期待できます。みずほPayPayドームではファウルポールにも命名権が付けられており、 この「マルタイ棒ラーメンポール」に直撃のホームランを放った選手には、マルタイ棒ラーメン1年分(360食)が贈呈されるなどユニークな取り組みも注目を集めています。
▼マルタイ棒ラーメンポール
〈球場名・その他施設への命名権一覧〉
【事例20】 みずほPayPayドーム
(株式会社みずほフィナンシャルグループ・PayPay株式会社)【事例21】 マルタイ棒ラーメンポール
(株式会社マルタイ)
E・ZO FUKUOKAへの命名権(ネーミングライツ)
みずほPayPayドームに隣接するエンタメ施設への命名を通じて、さまざまなターゲット層への認知度向上が期待できます。17LIVE HKT48劇場では、来場者に向けての認知だけでなく、HKT48のメディア露出によって副次的に社名が露出する効果なども期待ができます。
▼17LIVE HKT48劇場
〈E・ZO FUKUOKAへのネーミングライツ一覧〉
【事例22】 BOSS E・ZO FUKUOKA
(サントリー食品インターナショナル株式会社)【事例23】 17LIVE HKT48劇場
(17LIVE株式会社)【事例24】 チームラボフォレスト福岡–SBI証券
(株式会社SBI証券)【事例25】 V-World AREA クレディ・アグリコル
(クレディ・アグリコル銀行)【事例26】 よしもと福岡 大和証券劇場
(大和証券株式会社)【事例27】 絶景3兄弟 SMBC日興証券
(SMBC日興証券株式会社)
HAWKSベースボールパーク筑後の命名権(ネーミングライツ)
HAWKSベースボールパーク筑後の各施設や座席への命名を通じて、来場者への認知度向上が期待できます。関家具グループシートは、企業のブランドカラーが目を引くデザインとなっており、来場者の注目を集めています。また、地域に密接な企業としてのイメージ構築にも貢献しています。
▼関家具グループシート
〈HAWKSベースボールパーク筑後へのネーミングライツ一覧〉
【事例28】 タマホーム スタジアム筑後
(タマホーム株式会社)【事例29】 <みずほ>プレミアムシート
(株式会社みずほ銀行・みずほ証券株式会社)【事例30】 関家具グループシート
(株式会社関家具)
イベントへの命名権(ネーミングライツ)
ファンフェスティバルや球団が主催するイベントに、企業名やブランド名を冠することもできます。2024年のホークスのファンフェスティバルでは、青山商事株式会社の特別協賛のもと「VIVA タカホーパーティ!supported by 洋服の青山」として開催いたしました。各イベントへの呼称を通じて、企業の認知度向上に貢献します。
〈イベントへの命名権〉
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【事例31】 VIVA タカホーパーティ!supported by 洋服の青山
(青山商事株式会社) -
【事例32】 ホークス 春季キャンプ2025 in 宮崎 Supported by スカパー!
(スカパーJSAT株式会社)
まとめ
この記事では、スポーツ協賛について以下の内容を解説しました。
- 命名権(ネーミングライツ)とは
命名権(ネーミングライツ)のメリット
命名権(ネーミングライツ)のデメリット
命名権(ネーミングライツ)の国内事例
福岡ソフトバンクホークの本拠地への命名権(ネーミングライツ)
みずほPayPayドームのさまざまな命名権
E・ZO FUKUOKAへの命名権(ネーミングライツ)
HAWKSベースボールパーク筑後の命名権(ネーミングライツ)
イベントへの命名権(ネーミングライツ)
命名権は、企業にとって認知度向上やブランドイメージ向上、地域社会との連携強化など、多岐にわたるメリットをもたらす戦略的なマーケティングツールです。命名権を活用することで、新たな価値創造につなげることができます。
福岡ソフトバンクホークスが提供する命名権を活用することで、呼称による認知度の向上に加え、来場者に対するブランドの認知度も高めることができます。ぜひ一度、ホークスの提供する命名権をご検討ください。
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