ブランディングにおける3つの種類と価値創出につなげる共通ポイント


市場にあらゆるモノが存在するなかで、自社の商品・サービスを選んでもらうには、独自性や付加価値を提供して競合他社との差別化を図る必要があります。

そのために重要な施策といえるのか“ブランディング”です。企業がブランディングに取り組むことで、商品・サービスの価値が顧客に認知され、ファンの獲得につながると期待できます。マーケティングや営業活動の戦略を考えている企業担当者のなかには「ブランディングとは具体的にどのような取り組みなのか」「効果的に取り組むポイントはあるのか」など気になる方もいるのではないでしょうか。

この記事では、ブランディングの概要や種類、価値創出につなげるための共通ポイントについて解説します。


目次[非表示]

  1. 1.ブランディングとは
  2. 2.ブランディングの種類
    1. 2.1.➀アウターブランディング
    2. 2.2.②インナーブランディング
    3. 2.3.③採用ブランディング
  3. 3.ブランディングで価値創出につなげる共通ポイント
    1. 3.1.①ターゲットを明確にする
    2. 3.2.②自社や競合他社の分析を行う
    3. 3.3.③コンセプトを定義して具体化する
    4. 3.4.④ブランド価値を発信する
  4. 4.まとめ


ブランディングとは

ブランディングとは、商品・サービスのイメージを確立して付加価値を創出することにより、競合他社との差別化を図る手法です。

ブランディングの目的は、経済産業省と中小企業庁が提供している『ミラサポplus』で以下のように記されています。

ブランディングの目的は、お客様に自社の商品・サービスを「選んでもらう」ことです。選ばれるためには、自社の強み・他社との違いを「ブランドコンセプト」として明確にする必要があります。

引用元:中小企業庁 ミラサポplus『事例から学ぶ!「ブランディング」


顧客に独自性のある付加価値を提供することで、商品・サービスに対する信頼や共感が醸成されて顧客ロイヤリティの向上につながります。その結果、価格・性能が類似する市場での競争から脱却して、経営の安定化に結びつくと期待できます。

ブランディングと混同されやすい手法として“マーケティング”と“プロモーション”が挙げられますが、それぞれ意味が異なります。


▼マーケティングやプロモーションとの違い

種類
概要
ブランディング
商品・サービスに対する消費者のイメージを確立して、価値創出や差別化を図る活動
マーケティング
商品・サービスの売上を向上させる仕組みを構築するための包括的な戦略
プロモーション
商品・サービスの販売を促進するための一連の施策


ブランディングとプロモーションは、マーケティングで売上を向上させる仕組みをつくるための施策の一つに該当します。

なお、ブランド認知の高め方についてはこちらの記事をご覧ください。

  ブランド認知が向上すると何が期待できる? 企業価値を発信する際の3つのコツ 自社の商品・サービスを顧客に選んでもらうには、ブランディングの第一歩となる“ブランド認知”を向上することが重要です。この記事では、ブランド認知の概要や期待できる効果、ブランド認知を向上させるコツについて解説します。 福岡ソフトバンクホークス株式会社


出典:中小企業庁 ミラサポplus『事例から学ぶ!「ブランディング」



ブランディングの種類

ブランディングは、施策の対象や目的によって大きく3つに分類できます。


▼ブランディングにおける3つの種類

  • アウターブランディング
  • インナーブランディング
  • 採用ブランディング


➀アウターブランディング

アウターブランディングは、顧客または消費者といった社外のステークホルダーに向けて企業や商品・サービスの価値を発信する活動です。自社のブランド認知を拡大させたり、信頼度や好感度を高めたりする活動を通して、市場における持続的な競争優位性を確立する目的があります。


▼アウターブランディングの例

  • 自社のWebサイトやSNSでブランドストーリーを発信する
  • スポーツやイベントのスポンサーになり、自社の技術を生かしたコラボレーション商品を開発・販売する
  • 経営理念やブランドの世界観を伝えるキャッチコピーを広告配信する など


アウターブランディングは、「何に対して価値創出を目指すか」によって2つの種類に分けられます。


▼アウターブランディングの種類

種類
目指すこと
企業ブランディング
企業の存在意義を明確化して組織価値を高めることで、長期的な事業成長につなげる
サービスブランディング
商品・サービスについて競合他社と差別化を図り、消費者に長く愛され続ける仕組みをつくる


②インナーブランディング

インナーブランディングは、社内の従業員に対して自社のブランド価値や理念などを浸透させることを目的とした活動です。


▼インナーブランディングの例

  • 経営層がブランドの想いや戦略について発表する社内イベントを実施する
  • 新商品を体験する機会を設けて、企画者・開発者との意見交換を行う
  • 経営理念に基づき、社会貢献活動の促進やワークライフバランスの向上を図る福利厚生を導入する など


従業員に自社のブランド価値を認知してもらい、理念や価値観、経営ビジョンなどの正しい理解を深めることにより、従業員エンゲージメントの向上につながると期待できます。また、従業員が自社ブランドに対して愛着や誇りを持つことで、高い意識を持って自律的に営業・販売活動を行えるようになり、顧客に対してもより訴求力の高いアプローチができると考えられます。


③採用ブランディング

採用ブランディングは、企業の経営理念や組織風土、働き方などを求職者へ発信して、競合他社との差別化を図る活動です。


▼採用ブランディングの例

  • デザインにこだわったオフィス空間を求人サイトに掲載する
  • 採用サイトで代表者による求職者へのメッセージを発信する
  • 従業員の対談動画で自社での働き方に関する魅力を発信する など


自社で働く魅力をアピールして、企業に対する信頼や共感を醸成することによって、自社にマッチする人材の採用につながると期待できます。



ブランディングで価値創出につなげる共通ポイント

アウターブランディング・インナーブランディング・採用ブランディングに取り組む際には、共通する3つのポイントがあります。


①ターゲットを明確にする

ブランディングに取り組む際は、「どのような相手に訴求するのか」といったターゲットを明確にしておくことが重要です。ターゲットとする人物像を具体的に設定することで、ブランド価値を発信する媒体やメッセージなどを検討しやすくなり訴求力の向上を図れます。


▼人物像を設定する際の項目例

  • 年齢
  • 性別
  • 家族構成
  • 居住地
  • 職業
  • 趣味
  • 休日の過ごし方
  • お金の使い方 など


アウターブランディングで顧客企業をターゲットとする場合には、業種・職種・担当者の部署・役職、決裁権の有無なども設定しておくことがポイントです。


②自社や競合他社の分析を行う

自社や競合他社の分析を行い、顧客または消費者に対してどのような価値を提供できるかを検討します。自社の強み・弱みや取り巻く環境を分析する際には、マーケティングに用いられるフレームワークを活用することがポイントです。


▼自社や環境分析に役立つフレームワークの例

フレームワーク
活用目的
分析項目
3C分析
自社の強み・弱みを知り、提供できる
ブランド価値を明らかにする
市場・顧客(Customer)
競合(Competitor)
自社(Company)
SWOT分析
自社の内部環境・外部環境を把握して、
戦略の方向性を定める
強み(Strength)
弱み(Weakness)
機会(Opportunity)
脅威(Threat)


③コンセプトを定義して具体化する

フレームワークを用いて自社や競合他社を客観的に分析したあとは、独自性のある強み・魅力を見極めてブランドのコンセプトを定義します。ブランドのコンセプトは、ブランディングの方向性を決める軸となります。コンセプトに基づいて一貫性のあるブランディングを行うことで、理念や世界観がターゲットへ伝わりやすくなり、イメージの確立と信頼・共感の醸成につながります。メディアで発信する広告やコンテンツを作成したり、商材のパッケージを制作したりする際は、コンセプトを具体化することがポイントです。


▼ブランドのコンセプトを具体化するための要素

  • キャッチコピー
  • ロゴ
  • イメージキャラクター
  • メインカラー・配色のパターン など


④ブランド価値を発信する

WebサイトやSNS、看板広告などのさまざまな媒体を活用してブランド価値を発信します。ブランド価値をより効果的に広めるためには、多くの人によりポジティブな印象で記憶に残りやすく工夫することが求められます。数ある媒体のなかでも、幅広いターゲット層に効率的にリーチでき、ポジティブな記憶として印象付けやすい手法のひとつが“スポーツ・スポンサーシップ”です。スポーツ団体に協賛して広告運用やイベント参加などを行うと、そのスポーツのファンから認知を獲得する機会を得られるほか、ポジティブな印象を得やすくなると期待できます。

例えば、野球チームのスポンサーシップでは、以下のような活動を通してブランディングを行うことが可能です。


▼野球チームのスポンサーシップによるブランディングの活動例

  • 選手着用のユニフォームや球場内に自社の企業名・商品ロゴを掲示する
  • 自社の商品に球団のロゴを入れて限定グッズとして販売する
  • 企業イベントや地域貢献活動に選手を招いてイメージづくりをする など


なお、野球チームのスポンサーになる方法や期待できる効果については、こちらの記事で解説しています。

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まとめ

この記事では、ブランディングについて以下の内容を解説しました。


  • ブランディングの概要とそのほかの手法との違い
  • ブランディングの種類
  • 価値創出につなげるための共通ポイント


ブランディングに取り組むことで、企業や商品・サービスの付加価値を生み出して競合他社との差別化を図れるようになります。取り組む際は、ターゲットの明確化と客観的な分析を行ったうえで、コンセプトを定義してブランド価値を分かりやすく発信することがポイントです。ブランド価値を発信する方法にはWebサイトやSNSなどが挙げられますが、なかでもスポーツ・スポンサーシップは幅広いターゲット層にリーチでき、ファンとの良好な関係性を構築しやすい手法といえます。

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